2022-06-01から1ヶ月間の記事一覧

ぞうりをはいた子どもたち(昭和58年)

ぞうりをはいた子どもたち 小学校3年生頃までは、学校や町中ではぞうりをはいて遊ぶことを奨励してはどうだろうか。 1.長く立てない青少年 十数分間の朝礼に立ち続けられない小中学生や高校生が多いことは周知のことであるが、大きな問題になることなく、…

少年教育に望むこと(昭和56年)

少年教育に望むこと 地球上のより多くの民族が、宗教や思想の組織化のためではなく、自主管理のもとに吸収型の国際化ができるよう努力している。 1.人間に共通した能力の開発 いかなる人間も社会の一員としてしか生きていけない弱さがある。その範囲の大小…

健康であるためには(昭和51年)

健康であるためには 誰もが健康でありたいと願うが、それは子供の時にほぼ決定される。子供は本能的に生命力を養成しようと活動するもので、子供時代の少々のけがは、大人になってからの健康の勲章でもある。 1.子供はよくけがをする 猿も仔猿の時は、よく…

少年教育と暗闇体験(平成19年)

少年教育と暗闇体験 1.暗闇の不安 闇とは、光が全くささず、何も見えない状態のことで、“一寸先は闇”、“闇にまぎれる”“真相が闇に葬られる”等と使われている。 古来、人類が最も恐れたのは闇であり“魔の闇”とも表現された。光のない世界は、不安と孤独にさ…

防災訓練としての“かち歩き” (平成4年)

防災訓練としての“かち歩き” 1.大人になるための鍛錬 世界の各地に古くから心身の鍛錬があり、忍耐力や克已心、向上心などを培うためのいろいろな行事があった。 例えば、日本では、力だめし、相撲、肝試し、遠泳、山登り、綱ひき、和船競漕など。これらは…

野外伝承遊びは人づくり(平成11年)

野外伝承遊びは人づくり 1.文明の落とし子たち 今日の文明社会では、子どもたちか野外で遊ばなくなっているし、遊べなくなっている。その代わり、文明機器を相手に室内で1人で遊ぶようになった。世界の多くの人々は、そのような子どもたちを文明化や豊か…

知恵者たちの青少年教育(平成8年)

知恵者たちの青少年教育 1.文明社会の諸現象 自然とともに生きてきた私たち人類は、より豊かに、安全に、幸せに生活するために、いろいろな道具を生み出してきた。ところが、その文明器具が、私たちの価値観や生活観・行動様式にまで大きな影響を及ぼすよ…

少年期に総合的体力を(平成30年)

少年期に総合的体力を 1.少年期の心身発達段階 ここでの少年とは、心身の完成期に達していない男女のことで、心身の発達段階によって、6歳から15歳までとする。 少年期の心身の発達段階としての年間発育量は、次のように考えられている。 神経の発達は5歳…

少年教育の基本は予防対応 (平成26年)

少年教育の基本は予防対応 1.いじめ・非行等はなくならない 人間が社会的動物である限り、争いや不和は起こり得る。ましてや未熟な子どもの世界では、いじめやけんか、そして非行等は起こり得ることである。 だからこそ、学校教育も社会教育も、それらを未…

青少年教育の起こり(平成9年)

青少年教育の起こり 1.強い女性と弱い男性の社会 動物の多くは母系社会で、私たち人類も、放置すれば自然に母系的社会になる。 本性的女性の特徴は、男性よりも生命力や順応性が高く、非活動的で物事に対する反応のスイッチかオンとオフに切り替わり難く、…

青少年教育と政治観(昭和63年)

青少年教育と政治観 新しい日本の政治は、繁栄のための経済活動を中心とするものではなく、社会の安定と継続をも重要視すべきである。さもなければ、社会の内部衰退による墓穴を掘ることになる。 1.見本のない青少年教育 日本史上、今日ほど青少年教育が困…

子どもたちに今何が必要か(昭和60年)

子どもたちに今何が必要か いつの時代にも子どもたちの特徴を知り、社会的、文化的にどのようなことが欠けており、どのような人間性や社会性が望ましいかを考え、そのことを子ども自らに気づかせる生活労働の体験が必要なのである。 1.巣ごもりは非社会的…

同世代の親たちへ(昭和58年)

同世代の親たちへ 表層文化と自由という名の自己主義に溺れかけた日本人の社会集団は、義務とか責任を敬遠しがちだが、それでは社会の後継者を培うことは難しく、活力が衰退しがちになる。 1.親は子のなりあがり 昭和58年4月8日の東京は。桜が満開に咲…

コロナウィルスと共に生きる(令和2年)

コロナウィルスと共に生きる 1.生き物は常時戦場 生き物には、植物のような独立栄養体と、有機物を体外から取り入れて生きる動物のような間接栄養体がある。 いずれにしても、生命ある物が生きるには、絶えず自然的(気温・乾燥・嵐など)、社会的(戦争・…

自然災害は人間を鍛える(平成23年)

自然災害は人間を鍛える 1.自然災害は万民共通 地球上に約70億人が、193の地域や国に分かれて暮らしている。これらの国や地域によって自然災害のあり方は異なるが、地震・雷・火事・津波・火山・台風・竜巻・洪水・乾燥・高温・寒気・生物の異常発生、異常…

民主主義と“子どもの貧困”(平成29年)

民主主義と“子どもの貧困” 1.子どもは弱者 12、3歳までの子どもは、生活力がなく、自立する力がまだ不十分で、ひ弱で貧しいのは当たり前なのだが、この頃、子どもの貧困か取り沙汰され、社会問題になっている。それは、家族や社会の在り方に問題がある。 …

不透明な時代を生き抜く力(平成21年)

不透明な時代を生き抜く力 1.不透明な文明時代 人類が有史以来続けてきた青少年教育の目的は、社会の後継者を育成し、社会の安定と継続を図るためであった。その点からすると、日本における青少年、特に少年教育は、日本人の価値観や生き方、食文化、風習…

文明に犯された子どもたち(平成9年)

文明に犯された子どもたち 1.作られたひ弱さ 「助けてくれ!」 文明に犯された子どもたちの悲鳴が、日本の至る所で発せられている。しかし、金権主義と利己主義に犯された大人たちの耳には入らず、見ぬふりをしている。 日本が経済的発展に邁進する昭和40…

教育改革は教員養成から(昭和62年)

教育改革は教員養成から 教員養成大学及び社会教育関係者を養成する大学に、“野外文化講座”を開講し、知恵と知識のある教員や指導者を養成すべきである。 1.民主教育と日本 戦後の日本は、20世紀におけるアメリカ的理想教育をしてきたのではあるまいか。 …

小中学生に生活体験を(平成元年)

小中学生に生活体験を 地域社会における社会人準備教育の機能が衰退している今日の日本では、教育も育成も学校に頼るしかあるまい。そこで、国家の政策として学校教育の中に、基本的能力を育成するための生活体験の授業を、取り入れることが必要不可欠となる…

青年の行動の原点(昭和60年)

青年の行動の原点 行動が正しいかどうかは後日にまかせるしか方法がないので、ことの始まりを知り、経過を意識することができるならば、まず己の信ずるところに従って行動することである。 1.ふるさとからの出発 幼少年時代を過したふるさとの海や川、野山…