平成1年代

この日本 誰に渡す(平成3年)

この日本 誰に渡す 1.豊かな日本 社会には共通の了解事項や、規制が必要。さもないとお互いに騙し合い、傷つけ合い、裏切り合う弱肉強食となりがちである。だからこそ、これまでのいかなる社会でもお互いの了解事項(道徳心又は規則)を大切にしてきた。そ…

人民融和のための青少年教育(平成元年)

人民融和のための青少年教育 風習や道徳心は、人民が自ら融和を図る知恵として今日まで伝承されてきたが、青少年教育もまさしく人民融和を目的として行われることが重要である。 1.自然環境と食文化・米 自然の一部である人間は、太古より自然に順応・適応…

日本人の国際化と国籍(平成8年)

日本人の国際化と国籍 1.国際化に必要な国籍 私たち日本人は、“国際社会において、名誉ある地位を占めたい”と思っているのか、“国際化”という言葉が好きである。 国際化には、個人的と社会的があり、また、経済的、文化的、政治的などもあるが、いずれにし…

文化戦争と教育(平成4年)

文化戦争と教育 1.文化戦争とは 世界の多くの民族や国家が、社会の後継者である青少年教育に熱心であったのは、独自の文化を守り、伝承するための必要課題であったからである。 社会にとって大事なことは、共通の言葉や風習、価値観や規範をもつことである…

稲作文化としての新嘗祭(平成2年)

稲作文化としての新嘗祭 30数年前までは稲作が盛んで“瑞穂国”と美称されていた日本で、本年11月23日夕刻から23日未明にかけて大嘗祭が行なわれる。大嘗祭は、新天皇が即位後、初めて行なう新しい穀物(米)を食べる新嘗の儀式のことであり、毎年行な…

稲に育まれた感性(平成5年)

稲に育まれた感性 1.米は稲の実 ウルグアイ・ラウンドによって、“米”がよく話題にのぼっている昨今であるが、単に生産者と消費者の関係でしかなく、大切な人の心を育む教育的なことか無視されている。それに、日本の農民が栽培している作物は“稲”で、米はそ…

日本人が誇れるもの(平成元年)

日本人が誇れるもの これ程世界の知識、情報、技能、文化、物資を一堂に集めていながら、青年が自分の国を誇れないのは、社会の価値基準が狂っているせいかもしれない。それにしても、大人がもう少し自信と誇りをもつべきではあるまいか。 1.社会に役立つ…

生涯学習社会の精神的貴族(平成6年)

生涯学習社会の精神的貴族 1.第10回無人島生活体験 豊後水道の御五神島で、昭和60年の夏から毎年開催されてきた最終回の無人島生活体験は、小中高校生と大人のスタッフなど総勢125名で、7月25日から8月3日まで、9泊10日の間、大自然のもとに開催された。…

ボーダレス社会の文化(平成3年)

ボーダレス社会の文化 1.これからの文化 この地球は、文明の発展と共にますます国境、境のないボーダレスな世界になるだろう。そして、個の確立が要求され、共通性の少ない不安定、不確実な社会になるにちがいない。中でも日本は、最も早くそうなるだろう…

防災訓練としての“かち歩き” (平成4年)

防災訓練としての“かち歩き” 1.大人になるための鍛錬 世界の各地に古くから心身の鍛錬があり、忍耐力や克已心、向上心などを培うためのいろいろな行事があった。 例えば、日本では、力だめし、相撲、肝試し、遠泳、山登り、綱ひき、和船競漕など。これらは…

知恵者たちの青少年教育(平成8年)

知恵者たちの青少年教育 1.文明社会の諸現象 自然とともに生きてきた私たち人類は、より豊かに、安全に、幸せに生活するために、いろいろな道具を生み出してきた。ところが、その文明器具が、私たちの価値観や生活観・行動様式にまで大きな影響を及ぼすよ…

青少年教育の起こり(平成9年)

青少年教育の起こり 1.強い女性と弱い男性の社会 動物の多くは母系社会で、私たち人類も、放置すれば自然に母系的社会になる。 本性的女性の特徴は、男性よりも生命力や順応性が高く、非活動的で物事に対する反応のスイッチかオンとオフに切り替わり難く、…

文明に犯された子どもたち(平成9年)

文明に犯された子どもたち 1.作られたひ弱さ 「助けてくれ!」 文明に犯された子どもたちの悲鳴が、日本の至る所で発せられている。しかし、金権主義と利己主義に犯された大人たちの耳には入らず、見ぬふりをしている。 日本が経済的発展に邁進する昭和40…

ポスト近代(モダン)教育とは(平成8年)

ポスト近代(モダン)教育とは 1.国語を理解しにくい子供たち 今日の子供たちの多くが、学習によって覚える国語を十分理解できないまま、授業を受けていると言われている。そしてその子供たちに、もう1つの言葉「英語」も教え込もうとしている。国際的商…

教育人類学的教育改革(平成8年)

教育人類学的教育改革 1.日常の学習動機づけ 日常とはきわめて普通のことであるが、今日の日常は明日の日常ではない。「日々是新」の言葉どおり、平凡に見える日々も、大きな変化の一歩である。子どもたちは、ささやかであっても珍しいことが1つでもあれば…

人づくり意識革命(平成6年)

人づくり意識革命 1.子育て革命十ヵ条 人づくりには家族と地域社会の人々が連携を保つことが重要である。人づくりとしての子育てでいう“子”とは、6~15歳までを意味する。 (1)子どもは地域社会の後継者 (2)子どもの仕事は遊び(体験学習) (3)自然体…

人づくりは安全な食物から(平成4年)

人づくりは安全な食物から ソ連解体で社会主義が負けたといわれているが、大統領がセールスマンの役目をせざるおえないアメリカ資本主義もまた勝ったとはいえない。両国に共通することは、不十分な国民教育と膨大な軍事費に負けたし、極端な管理主義と自由主…

新人教育の新しい方向性(平成2年)

新人教育の新しい方向性 1.現代青年の特徴 人類は古代から今日まで、社会の後継者を育む健全育成を忘れることなく続けてきた。その基本は、まず家庭で習慣的能力である“躾”と呼ばれる基礎的防衛能力を培い、次に地域社会において精神的能力である“素養”と…

『平成改革』のすすめ(平成3年)

『平成の改革』のすすめ 日本は、明治維新以来欧米化の波に洗われて和洋折衷の文化・文明をつくり上げ、世界にも例を見ない画一的な統一国家を形成してきた。しかし、第二次世界大戦以後は、アメリカナイズの傾向があまりにも強く、個の権利を主張する民主社…

40・50代からの教育改革(平成9年)

40・50代からの教育改革 1.民主教育50年 戦後の民主教育が始まったのは、昭和22(1947)年4月であった。その年に小学校に入学した私は、新しい教科書の最初に書かれていた、“みんなよいこ、ぼくもあなたもみんなよいこ”を大きな声で読んだ。 それからすで…