平成10年代

日本人に名誉と勇気を(平成11年)

日本人に名誉と勇気を お金を失うことは、少し失うことだ 名誉を失うことは、多くを失うことだ 勇気を失うことは、全てを失うことだ ゲーテの言葉である。 人類は、これまで長い間、貧に対する哲学を持ち、飢えに対する文化を培ってきた。しかし、まだ豊かさ…

現代日本の怪物″ぎまん”(平成10年)

現代日本の怪物‶ぎまん“ 怪物とは正体不明の物、化け物のことである。昔、平安時代に京都の夜空に出没したといわれる怪物“ぬえ”は、人間の恐怖心を吸い込んでエネルギーにしたといわれている。しかし、今日の砂漠化した日本人社会に棲む怪物“ぎまん”は、人間…

「日本」という土俵の上で(平成18年)

「日本」という土俵の上で 1.個人性重視の教育 憲法や教育基本法が半世紀以上も棚上げされていたが、今やっと改革、改善の論議が活発になってきた。しかし、その内容が、主義、思想、宗教、政党によって勝手に解釈されるので、「日本」としての共通性が感…

日本的家族の崩壊(平成13年)

日本的家族の崩壊 1.アラブの家と日本の家 去る1月25日から17日間、アラビア半島のサウジアラビアとイエメンの子どもたちの遊びを踏査し、要塞化した町と家を見た。 乾燥した砂漠に生きるアラブ人にとって、物事に対する静観と受動とは滅亡を意味し、生き…

われらは生きている (平成13年)

われらは生きている 1.ヒ. ト3は弱く生まれる 人の子のヒトは、動物界の中で非常に弱い状態で生まれてくる。身を守るための力を何ももたず、言葉を話すことも2本足で立って歩くことも、食物をとって食べることもできない。 10月10日の月満ちて生まれてく…

少年教育と暗闇体験(平成19年)

少年教育と暗闇体験 1.暗闇の不安 闇とは、光が全くささず、何も見えない状態のことで、“一寸先は闇”、“闇にまぎれる”“真相が闇に葬られる”等と使われている。 古来、人類が最も恐れたのは闇であり“魔の闇”とも表現された。光のない世界は、不安と孤独にさ…

野外伝承遊びは人づくり(平成11年)

野外伝承遊びは人づくり 1.文明の落とし子たち 今日の文明社会では、子どもたちか野外で遊ばなくなっているし、遊べなくなっている。その代わり、文明機器を相手に室内で1人で遊ぶようになった。世界の多くの人々は、そのような子どもたちを文明化や豊か…

教育の手段を目的とするなかれ(平成12年)

教育の手段を目的とするなかれ 1.教育の目的と手段 私たち人間は、個人であると同時に社会人であることが必要であるが、日本の民主教育は個人尊重の理念が強すぎて、社会人の義務と責任が軽んじられてきた。そのため、社会人としての基本的能力(野外文化…

人類が伝えること(平成19年)

人類が伝えること 1.多様な能力 私たち人類は、自然環境に順応して生きるために、心身の鍛錬によって強健になる努力をするとともに、都合のよい環境をつくり、よりよい生活をするために、いろいろな工夫をこらしてきた。 人間以外の動物は、生活手段が牙や…

10日間の学校外教育制度の導入(平成12年)

10日間の学校外教育制度の導入 1.政治は人づくりから 豊かな科学的文明社会の最大の課題か教育であることは、多くの人が気づいているが、どう対応すればよいのか暗中模索の状態で、文明化に対応する“人づくり″があまり具体化されていない。今こそ政治が新…

公教育に必要な生活体験(平成18年)

公教育に必要な生活体験 1.人類未経験の社会 “必要は発明の母”と言われてきたが、人類は多くを創造してきた。例えば照明、電気、電子、電波、汽車や電車、自動車、船、飛行機、ロケット、その他諸々の化学物質や医薬品、医療器具等、数え切れない程沢山あ…

少子高齢化社会の泥棒たち(平成10年)

少子高齢化社会の泥棒たち 平成10年8月22日、関西空港からトルコ航空でイスタンブールへ飛ぶ。 翌23日は日曜日で快晴であった。午前九時半頃、ガラタ橋のたもとから、3~4階建の石造りの家々が並ぶ旧市街の坂道を歩いた。ペルシア風のバルコニーが張り出…

21世紀の新しい教育観(平成11年)

21世紀の新しい教育観 1.遊びとしての体験学習 私たちは、子どもたちが先端技術や知識を習得するための学習には熱心であったが、社会人として生きるに必要な基本的能力を身につけるための学習には、無関心を装ってきた。 しかし21世紀の“教育”は、知識や…

少年が父になるために(平成11年)

少年が父になるために 出産は女性の特権かと思いきや、本年2月下旬の新聞に“男性でも腸内に受精卵を注入して子を産むことが可能である”というイギリスの医学者発表のニュースが記載されていた。 真偽のほどは別として、雄である男性に子を産ませようなどと…