新しい社会人準備教育

野外文化教育への道標(令和4年)

野外文化教育への道標 1.民主教育による個人化 日本の民主教育は、幼稚園時代から自主性、積極性、個性などの個人性を重視するもので、どちらかと言えば、知識偏重で、生きる基本的能力や社会性をないがしろにしがちである。 社会は人により、人は教育によ…

犯罪防止に体験活動を(平成20年)

犯罪防止に体験活動を 1.通じなくなった風習 30数年前の東京の雑踏では、お互いが視線や仕種等で瞬時に判断し合い、ぶっつかることはなく歩けた。 私はよく外国旅行をするが、街頭でぶっつかったり、身の振り方に迷ったりすることがある。それは瞬時に判断…

教育人類学的教育改革(平成8年)

教育人類学的教育改革 1.日常の学習動機づけ 日常とはきわめて普通のことであるが、今日の日常は明日の日常ではない。「日々是新」の言葉どおり、平凡に見える日々も、大きな変化の一歩である。子どもたちは、ささやかであっても珍しいことが1つでもあれば…

人づくり意識革命(平成6年)

人づくり意識革命 1.子育て革命十ヵ条 人づくりには家族と地域社会の人々が連携を保つことが重要である。人づくりとしての子育てでいう“子”とは、6~15歳までを意味する。 (1)子どもは地域社会の後継者 (2)子どもの仕事は遊び(体験学習) (3)自然体…

グリーンアドベンチャー・新しい野外文化(昭和50年)

グリーンアドベンチャー・新しい野外文化 緑の豊かな日本には、昔から山水を友とする風習があったが、いまはすたれがちになっている。しかし、現在でも少し工夫すれば、費用は少なく、簡単に楽しめる自然の諸々がわれわれの周囲にはいくらでもある。自分にと…

自己防衛能力の開発(昭和59年)

自己防衛能力の開発 自己防衛能力の基本を子に伝えるのは親の義務であり、自己防衛能力の高い後継者をつくるのは社会人の義務と責任である。 1.人間は無防備な動物 この早春、氷の張った山中湖で東大生数名が死亡した。親や周囲の人々は、「まさか!・・・・」…

人づくりは安全な食物から(平成4年)

人づくりは安全な食物から ソ連解体で社会主義が負けたといわれているが、大統領がセールスマンの役目をせざるおえないアメリカ資本主義もまた勝ったとはいえない。両国に共通することは、不十分な国民教育と膨大な軍事費に負けたし、極端な管理主義と自由主…

21世紀の新しい教育観(平成11年)

21世紀の新しい教育観 1.遊びとしての体験学習 私たちは、子どもたちが先端技術や知識を習得するための学習には熱心であったが、社会人として生きるに必要な基本的能力を身につけるための学習には、無関心を装ってきた。 しかし21世紀の“教育”は、知識や…

新人教育の新しい方向性(平成2年)

新人教育の新しい方向性 1.現代青年の特徴 人類は古代から今日まで、社会の後継者を育む健全育成を忘れることなく続けてきた。その基本は、まず家庭で習慣的能力である“躾”と呼ばれる基礎的防衛能力を培い、次に地域社会において精神的能力である“素養”と…

少年が父になるために(平成11年)

少年が父になるために 出産は女性の特権かと思いきや、本年2月下旬の新聞に“男性でも腸内に受精卵を注入して子を産むことが可能である”というイギリスの医学者発表のニュースが記載されていた。 真偽のほどは別として、雄である男性に子を産ませようなどと…

エリートになるための必要条件(昭和55年)

エリートになるための必要条件 人間の偉大さは.いつの時代にも、努力と工夫を続けることであり、その喜びを知っている者が、真のエリートなのである。 1.防衛能力の養成 「猿も木から落ちる」いや、1歳くらいまでの猿は地上生活が多く、しょっちゅう木か…

『平成改革』のすすめ(平成3年)

『平成の改革』のすすめ 日本は、明治維新以来欧米化の波に洗われて和洋折衷の文化・文明をつくり上げ、世界にも例を見ない画一的な統一国家を形成してきた。しかし、第二次世界大戦以後は、アメリカナイズの傾向があまりにも強く、個の権利を主張する民主社…

40・50代からの教育改革(平成9年)

40・50代からの教育改革 1.民主教育50年 戦後の民主教育が始まったのは、昭和22(1947)年4月であった。その年に小学校に入学した私は、新しい教科書の最初に書かれていた、“みんなよいこ、ぼくもあなたもみんなよいこ”を大きな声で読んだ。 それからすで…

青少年教育と野外文化(昭和61年)

野外文化活動はいかに文明が進歩しようと、人間の本質が変らない限り、社会生活を営む構成員の基本的な能力を育むために必要なことであり、人間の絆を培うものである。 1.青少年教育のねらい 高等な文明的社会における青少年教育は、人類の共通課題である…