日本的文化

たなばたの原点(昭和58年)

たなばたの原点 千数百年も続いた年中行事である“たなばた”は、日本人にとって、夢のある家族的な祭りとして、夏のある限り続けられるであろう。 1.たなばたとは たなばた………誰もが口にし、知っている言葉なのに、まじめに考えると、なんのことかその意味…

日本の元旦の習わし(平成29年)

日本の元旦の習わし 1.元日の朝 2017(平成29)年元日の朝、東京は雲ひとつない、突き抜けるように澄み切った青空で、摂氏12、3度と大変穏やかであった。 午前7時過ぎに起き、まずは神棚に手を合わせ、9時から近くの井草八幡宮へ、自転車で初詣。すでに7…

お正月の原点(昭和57年)

お正月の原点 お正月の年神様は大晦日に来臨し、願いごとを聞き届け、1月15日の小正月、ドンド焼きの煙になってお帰りになる。 1.年神様と門松 正月というのは太陰暦の第1の月の別称であり、中国から移入された言葉であるが、日本から東南アジアにかけての…

カタカナ姓は異文化(昭和58年)

カタカナ姓は異文化 日本の過去における帰化人が、数世代後に同化してしまったのは、姓の日本化にあったものと思われる。 1.日本人の姓は日本語 法務省が、カタカナ姓を実質的に許可したことは、7月17日の新聞に大きく報道されていた。 “キム、ワン、ス、…

日本語の2通りの数え方(昭和62年)

日本語の二通りの数え方 日本人は、“いち、に、さん”と“ひい、ふう、みい”の2通りの数え方を使いわけたことにより、日本人特有の感情や考え方を培わせたのではあるまいか…。 1.言葉の使いわけ 日本には古くから数の数え方が2通りある.この理由について…

文化戦争と教育(平成4年)

文化戦争と教育 1.文化戦争とは 世界の多くの民族や国家が、社会の後継者である青少年教育に熱心であったのは、独自の文化を守り、伝承するための必要課題であったからである。 社会にとって大事なことは、共通の言葉や風習、価値観や規範をもつことである…

天皇即位に必要な大嘗祭(平成28年)

天皇即位に必要な大嘗祭 1.稲作による生活文化 稲は多年草だが、毎年定期的に苗を植えては刈り取るので、日本人にとって最も身近にある植物であった。そして、稲作農農業の過程の風景や仕事から、巡りめく季節感や年中行事、祭りなどが発生し、今日もまだ続…

稲作文化としての新嘗祭(平成2年)

稲作文化としての新嘗祭 30数年前までは稲作が盛んで“瑞穂国”と美称されていた日本で、本年11月23日夕刻から23日未明にかけて大嘗祭が行なわれる。大嘗祭は、新天皇が即位後、初めて行なう新しい穀物(米)を食べる新嘗の儀式のことであり、毎年行な…

稲に育まれた感性(平成5年)

稲に育まれた感性 1.米は稲の実 ウルグアイ・ラウンドによって、“米”がよく話題にのぼっている昨今であるが、単に生産者と消費者の関係でしかなく、大切な人の心を育む教育的なことか無視されている。それに、日本の農民が栽培している作物は“稲”で、米はそ…

日本人と自然(昭和51年)

日本人と自然 人間が自然に適応して生きるために、考えだした生活の知恵が文化なら、文明はより快適に生きるために考えだされた物である。木にたとえれば日本の文化は、日本人にとっては台木であり、近代文明は接木された枝葉である。 1.感情豊かな日本人 …

日本文化の原点(昭和57年)

日本文化の原点 神社の鳥居も千木、かつお木、高床式切妻造りの社も、かつて、日本の古代人が日常生活に使っていたものの名残りであり、稲作農耕民の象徴なのである。 1.不思議な言葉と型 日常見慣れているものを、ふと「どうして?なぜ?」と再確認してみ…